マドラス日記 '01/03
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 やって来ましたセンディル邸。門が開いているけど、入っちゃっていいのか?するとすかさずセキュリティ登場。聞いてみると、やっぱり撮影で留守らしい。セキュリティのおじさんは、とっと帰れと言わんばかりのそっけない態度。でも、ここで引き下がってはと思い、夏にセンディルさんに会った時の写真(六つ切に引き延ばしパネルに入れた)を渡したいと見せた。すると態度が一転、家の中へと案内されたのでした。なんとまあ、写真の効果は絶大だ。

 昨年の夏に来た時と変わっていない事務所。トロフィーが沢山飾ってある。
 センディルさんは以前より仕事を減らしていると聞いていたが、今日は撮影に行かれたそう。写真と名刺を渡してくれるようお願いしました。

 この写真の方が対応してくれた女性。どういう関係の人なのかは、聞き忘れてしまった。
コーラを御馳走になりセンディル邸を後にしたのでした。
 続いてやって来たのはRambha邸。ここでもセキュリティに聞くと撮影で留守だとの事。う〜ん、このまま誰にも会えないのか…。セキュリティのお兄さんに、昨年の夏の写真を渡したいのだ!と、お願いしてみた。すると面白いように態度が変わる。いやはや本当に写真の力は凄い!すぐに門が開けられ応接間へと案内される。
 おお!懐かしい。吹き抜けの高い天井も、赤ちゃんの頃のRambhaの写真もそのままだ。
チャイを頂き、しばし寛いでいると一台の車が帰って来た。窓には真っ黒なフイルムが貼られているので、誰が乗っているのか解らない。
やがて、その車から降りて来たのは!!サマーセーターにGパン姿という、とてもラフな出で立ちのRambhaさんだったのだ!

 か、かわいい。バッチリメイクのせいなのか 映画では西洋風な顔立に見えるRambhaさんですが、実際にお会いすると当たり前だけどインド人な顔立。どちらかというと私は素のランバさんの方が好きだ。
前回御会いした時も感じたのだが、とても痩せている(失礼な奴)。アルナーチャラムで見せたあの立派な太ももは、今では過去のものなのか?ダイエットしたのかなぁ?それとも映画は太って見える?
自宅に帰ったら、客がいたのでびっくりした様子。でも、写真を見せたら本当に喜んでくれました。気軽に写真にも収まって頂けましたし、ポラロイドにサインまで。

 「君が送ってくれた写真、ほら、ちゃんと届いてるよー」と私が送った写真を見せてくれたRambhaのお兄さん。返事は来なくても喜んでもらえていたのだ。送っておいてよかった。でも、その写真がすぐに出て来るのは凄いなぁ。
Rambhaさんは「メイクをしないといけないの。ごめんなさい」と恐縮しながら2階へ行こうと、でもすぐに「あ!わたしの写真!」と戻ってきた。その仕種がかわいらしい。
帰り際、しばちんさんが渡し忘れていたプレゼントを「Rambhaさんに渡してください」と家族の人にお願いすると、わざわざRambhaさんを呼んで来て直接渡せるようにしてくれた。とても恐縮しているしばちんさんが可笑しい。
Rambhaさんに「さよなら〜」とお別れし、Rambha邸を後にする。
(帰国後、Rambhaさんのお兄さんから「旅はどうでしたか?」とメールが届いた)
 お次はVijay邸。セキュリティに尋ねるも、やはり撮影で居ないらしい。正月に写した写真を渡してもらう用にお願いしたのだが、「駄目だ」と受け取ってもくれない。

 仕方がないので塀に貼ってあったVijayのポスターと同じポーズで、写真を撮って帰ろうとしたら…スタッフらしき人達がどこからか帰って来たのでした。そのスタッフに写真を見せ、渡してほしいとお願いしてみた。すると中へ入れと…。
 建物の外見からは想像も付かないほど豪華な室内。壁一面に楯がずら〜っと飾られていました。その壮観な事。思わず「すげぇ〜」と声が出てしまった。

 その楯の前で記念撮影。スタッフの人にシャッターをお願いしちゃいました。
 2階のプライベートルームへ続く螺旋階段の途中には、たぶんデビュー時のVijayの写真が。親切にもプライベートルームまで見せて頂けました。応接間には大きな水槽に熱帯魚、では無く金魚が。さらに奥の部屋には、大きなフェラーリのポスターが飾られているのが見えた。

 下の小さいほうの写真がVijayファミリー。お父様は監督をされているそうです。上の白黒の写真はVijayパパを挟んでRajnikanthとVijyakanthのダブルkanth。Rajniも凄いがVijyakanthの衣装が凄い。鋲打ちな革の上下にブーツな出で立ち。
 親切なスタッフ達と。一番左の人が「君の送ってくれた写真は、僕が受け取った。ちゃんと渡したよ」と教えてくれました。

 この後、Vijayのゲストとして撮影所を見学させていただける事になった。向かった先はお正月にVijayに会った撮影所の隣の建物。ここではミュージカルシーンの撮影が行われているとの事。どうやらサラトクマールの映画らしい。「Mayi」のサラトクマールなら是非会ってみたい!
チャイを御馳走になりながら、しばし建物の外で待たされる。どうやら残念な事にサラトクマールは居ないらしい。食事の支度をしている人達を見ながら待っていると、中からエキストラの人達やダンサーがワイワイと汗だくになって出て来た。「なんだこいつらは?」と好奇の目で見ながら通り過ぎて行く。そんな中、すーっと手を差し出して握手を求めてくる青いパンジャビを着た女の子がいた。おお、かわいい子!と思って、でも、インドで女性が握手を求めてくるなんて経験は初めてだったので驚いた。普通は胸の前で手を合わせて挨拶するのが一般的。男同士では気軽に握手するけれど、男性から女性に手を差し出して握手をする事も無い。握手の後、「名前は?」「どこから来たの?」とキラキラした瞳で聞いて来た。「かつや」「日本」と答えると恥じらいながら後ずさりしていった。そんなキラキラした目で見つめないでくれよー。おじさん、結構汚れてるんだから(笑)
5分もたたないうちに、再び建物の中に入るように指示がかかった。
私達もいよいよ中に入る。冷房など無いので暑い。体育館のような大きな建物の中に、何かのイベントらしい舞台のセットが作られていた。右の方には何故かサッポロビールとローマ字とカタカナで書かれていた。しかし、おしい事にサッホロヒールになっていた。(ああ、直したい!)左側には雪山のセットがあり、そのセットの前にヒロインのabhiramiさんが居た。abhiramiさんの脇に椅子が用意され、ここで見学しなさいと案内される。 あごのラインがチャーミングポイントのabhiramiさんは若い。たぶん10代ではないだろうか?話をしていると撮影が始まった。エキストラの人達がワーワーと声援を送る舞台の中央に、バックダンサー14、5人を従えてabhiramiさんが立つ。ライブ会場のような感じでの撮影らしい。そのエキストラの中に、こちらを見ている女の子が居た。さっき握手をした子だ。abhiramiさんのダンスを真似して踊って「どお?」と聞くと、「OK」と目で合図してきた。どうやら気に入られたらしい。

 そのabhiramiさんを囲んで。abhiramiさんの背が高いのは、厚底の靴を履いているから。それを引いても大きいか。

 食事休憩に入ったので撮影所を後にする。abhiramiさんは「何故帰ってしまうの?」と残念がってくれていたけど。帰り際、撮影スタッフの人と話をしていたら、さっきの女の子もすぐ脇で聞き入っていた。残念だけど、さよならなんだよー。

 食事はお正月の時に行った、中華料理屋にした。この辺りで他にレストランを知らないし。食事をしながらさっきの女の子の話になった。「あの子にはジャニーズ系に見えたんだな」と言ったら「金持ちそうなおじさんだよ」だって。失敬な。少しは夢をみさせてくれよ〜ぉ(笑)

 食事の後、Saina Video Visionというマラヤーラム語映画のVCDを販売しているショップへと向かう。もしかしたらmeenaさんの出演作がVCDとして出ているかもしれないと思ったからだ。リクシャーで住所を頼りに進んで行くと、どうも以前来たことのある所へ向かっているような気がする。やっぱりそうだ!ここはPonambalam G.の事務所のすぐ脇じゃないか。こんな近くに在ったなんて…。折角来たのに、残念ながらショップは閉まっていて買う事が出来なかった。でも、角を曲がったすぐそこが Ponambalam G.の事務所なのでリクシャーを待たせて、挨拶に行こうする。と、懐かしい顔が見えた。確かPonambalam G.のマネージャーさんだ。「おお!」と驚きの表情で迎えられ「お前はチェンナイに住んでいるのか?」と笑われた。写真を渡してもらうように頼むと、「なにか飲み物はいらないか?コーラでいいか?」とまたまた御馳走してもらう。さっき昼食を食べたばかりで、苦しかったが折角の好意を無駄にしては失礼なので無理矢理飲み込んだ。今、Ponambalam G.は撮影に行っているらしい。なんでもPonambalam G.がヒーローの映画なのだそうだ!(本当なのか?と思って、日本に帰ってから調べたら、本当にありました。"Ammayappa" Cast: Ponnambalam (as hero), Roshini (debut), Shankar, Kakka Radhakrishnan, Sathiyapriya Direction: R.Murugapandian Music: V.Venkatesh びっくり)
今回は滞在期間が短いので心苦しいけどお別れをして、次なる目的地Prashanth邸へと向かったのでした。


 リクシャーワーラーが「ここは事務所で、自宅ではない」と頑固に自宅へ行こうとするのを引き止め、事務所の門へと向かう。セキュリティに話をするが、当然ながら追い返されそうになる。ここは一発、最終兵器。プラパパ事、Thiagarajan氏とのツーショット写真を見せ「この写真を渡したいのだ」と言うと見事に態度が一転。門が開き、2階へどうぞと入れてくれたのでした。傾斜の急な螺旋階段を昇って、オフィスに入る。手前の部屋にはパソコンが置かれていて、職員らしき人がふたり、仕事をしている。奥の部屋(たぶんThiagarajanさんの部屋)に入ると、プラパパが女性の監督さんと打ち合わせをしていて、今まさに終わった所でした。Prashanthの新しい映画のお話だったそう。プラパパは私の事を覚えていてくれた。「今日は、友達を連れてきました」と、ごあいさつ。しばちんさんと私を交互に見ながら「ふたりは結婚するのか?」と。ふたりして慌てて「いえいえ、違います〜ぅ」と否定する(笑)

 そのしばちんさんが持っているのは事務所脇に建築中の、その名もPrashanth Hotel!!もしかして本邦初公開?

 プラパパ事Thiagarajanさんとツーショット。写真をお願いすると「私はお金をとるよ。Prashanthは只だけど」(笑)
「お正月に来た時に買ったビデオに、あなたが出演されていました」「なんと言うタイトル?」「シバジ・ガネーシャンのNenjangal」「がははは(笑)」
 プレゼントとして持って来た 写真立てに入れた Prashanthとのツーショット写真を渡すと、なんと!事務所の楯などが入っている戸棚に飾ってくれたのでした!今、Prashanth事務所に行くと私とPrashanthのツーショット写真が飾られているのだ!知らない人は(普通は知らないよなぁ)こいつは何者だ?と思うことだろう(笑)

 プラパパの計らいで、今回も撮影見学が出来る事になった。エグモアの方の撮影所でシューティングが行われているらしい。ここでリクシャーを解雇して、Prashanth事務所の車(トヨタ車)で撮影所に向かった。写真はPrashanthに会うので気合いを入れている、るみちさん。
 今までリクシャーに乗っていたのでエアコンのありがたみを実感する。運転手が車を廻してスタート、と思いきや「5分待て」と降りて、事務所の中へと行ってしまった。10分…20分…遅い。30分…40分…一時間近く待たされた頃、ようやく戻ってきてくれて、出発。5分というのは、やはりインド時間だった。
着いた所は2階建ての撮影所。2階建てと言っても、天井が異様に高く、普通の建物なら4階建てくらいになりそうな高さの建物だ。運転手さんの後に付いて2階へと昇る。するとそこには、さっき会ったばかりのRambhaさんが、ばっちりメイクにサリー姿で撮影していた!隣にはDevayaniもいる。「おお〜Rambhaちゃ〜ん」と手を振ってみるが気が付かない。運転手さんは「ここは違う。上だ」と3階へと来いと合図している。どうやら別の映画の撮影らしい。う〜ん、こっちも見たい。
後髪を引かれながら3階へ昇って行く。と、そこは3階では無く、屋上だった。椅子に座って待つように指示された。でも、明かりとりの窓から下の撮影を覗いてみたりして。幕が貼られているのでよく見えない。残念。そうこうしていると「おいで、おいで」と呼ばれる。屋上の外れにPrashanthの部屋のセットが組まれ、撮影が行われていた。壁には新聞が貼られていて、しゃれた感じをだしている。アイシュワリヤのポスターが2枚貼られていて笑ってしまった。私達を見つけたPrashanthは、すすーっと近寄って来てくれ、お話する事が出来た。Prashanthも私の事を覚えていてくれて、「よく来たね」と快く迎えてくれた。お正月の時はミュージカルシーンだったが、今回はシリアスな場面。さっきまで談笑していたのに、撮影に入ると涙を流して熱演していた。女優さんは目薬を使っていたのにPrashanthは本物の涙を流している!そのシーンをカメラに写らないセットの陰から、メイクさんと一緒に見学している私。こんな贅沢ってあるだろうか?(しかし暑い!役者さんはライトが当たるのでさらに暑いはずなのだが、汗をかいていないのは何故?)カットがかかるとあれだけ涙を流して泣いていたのに、けろっとしている。本当に役者さんなのだ。私がチェンナイの地図をもっているのを見つけたPrashanth。「この場所がわかるかい?」と教えてくれようとしているのだが、解らないらしい(笑)監督さんから「Prashanth、準備が出来たよ」と催促されても「ちょっと待って!」と。ついには監督さんも交えて「ここがこの道だから…」ああでもない、こうでもない。やっと「あ!ここだここだ」(笑)さらにPrashanthは「彼女をヒロインにどう?」と 監督さんに、しばちんさんを紹介していた。しばちんさんは「ノーダンシング、ノーダンシング」と拒否(笑)
 再びPrashanthに会う事が出来た。ただひたすらプラパパに感謝。

 撮影の邪魔ばかりしては申し訳ないので失礼する事にする。再びPrashanth事務所へ戻り、プラパパにお礼を言って帰ろうとすると「他に何か出来る事はあるかい?」と本当に親切なお言葉。Prashanthに会えて、しかもシューティングが見られたなんて…もう他に何も入りません。「ロンバ・ナンドリー」とタミル語でお礼を言ってお別れする。 それにしてもなんと親切な親子なのだ!

 事務所の前でリクシャーを拾いホテルへと戻り、ちょっと休んでから夕食を食べに行く。ラジニが時々来るというレストランだ。お店の人にラジニの好物を聞いて同じ物を注文する。チキンだらけになってしまったが、うまい。辛いがうまい。これはラジニじゃなくても好きだよ。食事が終わって帰ろうとすると、店員さんがこっちへ来いと呼んでいる。そこには大きなシバ神の像が飾られていた。なにやら説明を始める店員さん。その店員さんに「彼女の名前は"しば"だ」と、しばちんさんを紹介する。驚いた表情の店員さんが可笑しい。

その後、すっかり馴染みになったバーへ。下戸3人でキングフィッシャー(インドのビール)をマスターの話を肴に飲む。マスターから「ここで撮った写真はどうした?」と聞かれてびっくり。あの写真は私のカメラでは無かったので、持って来なかったのだ。「9月に友達が来るからその時に」と誤摩化しその場を凌ぐ(笑)マスターに、しばちんさんが持って来ていた、日本製のパダヤッパTシャツを見せる。すると「違う!これはバーシャだ!これはパダヤッパ。これはバーシャ」と鋭い突っ込み。るみちさんがラジニストラップを見せると「いい仕事をしている」と。「いくら?」と聞かれたので正直に答えたら、びっくりされた。「電話も付いているのか?」だって。日本の物価の高さを説明しないと解ってもらえないだろうなぁ。
酔った足取りでホテルへと戻る。充実した一日であった。果たして明日は何が起こるのだろう?

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